歯周病菌は細胞内に侵入する!?
こんにちは!
梅雨も終わり、夏がやってきましたね!
しっかり水分補給をして、熱中症には気をつけたいですね!
今日は、バイオフィルムを除去しただけでは、歯周病が完治しない理由について話していきます。
その理由とは、ずばり、歯周病菌は細胞内に侵入してしまうからです!!
細胞内に侵入したP.gingivalis(歯周病菌)は4パターンの動きを見せます。
①分解される
②ゆっくりと分解される
③細胞内にとどまる
④1つの細胞に傷害を与えた後、別の細胞に侵入し歯周組織を荒らしていく
どのパターンの動きを見せるかは個人差によると考えられています。
これが歯周病になる人とならない人の遺伝的要因の一つかもしれません。
歯周病が進行しやすいのはパターン④、次いでパターン③です。
特にパターン④で分解を受けなかった歯周病菌は細胞リサイクリング経路(細胞内へ取り込まれた細胞膜上の分子を、再び細胞膜へ戻し再利用する経路)に乗り移り細胞外へ脱出、そして周囲の別の細胞に侵入します。
つまり、歯周病菌は1つの細胞内にとどまることなく、次から次へと侵入細胞を代え、細胞間を往来し、増殖し、感染拡大を続けるのです。
そのため、歯周病菌の細胞侵入は歯周病の慢性化と再発に関わっています。また、細胞に侵入した歯周病菌を排除するのは容易ではありません。
どんなに技術を持った歯科医師や歯科衛生士でも、バイオフィルムや細胞・歯周組織に存在する歯周病菌は駆逐できないことがおわかり頂けたでしょうか。
歯周病は完治させることが出来ません。症状が落ち着いていても油断大敵、歯周病の再発はよくあることです。
歯周組織と歯周病菌が共生している均衡状態を守るメインテナンスが鍵になってきます。
定期的に検診・メインテナンスを行い、均衡状態を保っていきたいですね!
歯科医師 松山