歯周病菌に抗生物質は効く?
こんにちは!
最近暑くなっていましたね。梅雨ではなく、夏が来てしまったみたいですね!
今回は、なぜ歯周病菌がなくならないのかの理由を説明します。
歯周病菌がなくならない理由として、
①バイオフィルム(凝集菌塊)の形成
②歯周病菌の細胞内への侵入
の2点が上げられます。
今回は①について詳しく説明していきます。
バイオフィルムとは、細菌が産生する接着性・粘着性に富む菌体外重合体物質で囲まれた細菌の集合体です。
バイオフィルムが成熟すると、外からの攻撃に対してより堅固になるとともに、
内部は嫌気性を増し、歯周病菌に適した環境になっていきます(歯種病菌は嫌気性菌です)。
バイオフィルムの中の菌の多くは休眠状態(代謝を行っていない)であるため、外部からの栄養摂取量は非常に少なくなっています。
歯周病は、歯周病菌による細菌感染であるため、抗生物質によって歯周病菌を退治出来ないのかと考える方も多いと思いますが、
抗生物質(抗菌薬)は菌が栄養摂取するときに一緒に採取されることで効果を発揮します。
よって、代謝が活発な歯周病菌には効果があるのですが、休眠状態(代謝が非常に少ない)の菌には効果がありません!
抗生物質投与だけでは、歯周病を治すことはできないのです。
抗生物質によって、休眠菌以外の殺菌は期待できますが、投与期間がおわると休眠菌が目を覚まし、増殖し、
いずれバイオフィルムは抗生物質投与前の状態に戻ってしまいます!
休眠菌を含むバイオフィルムの除去にはSRP(歯周ポケット内の歯石とり)が有効です。
しかし、SRPを行っても、口腔内の歯周病菌を全てなくすことはできません。
その理由については長くなるので、次回説明しますね。
定期的に歯ぐきの状態を検査し、歯周ポケット内の歯石(縁下歯石)をチェックしていきたいですね!
歯科医師 松山