歯周基本治療の目標!
こんにちは!
最近夜が寒くなってきましたね。体調を崩さないようにお気をつけ下さい!
以前、歯周病は完治しないことをお話ししたのですが、完治しない歯周病の治療では何を目標にしているのかを説明していきたいと思います。歯周病治療の目標は、歯周ポケットを浅くすること、アタッチメントレベルの増加、骨レベルの改善あるいは付着歯肉幅の増加と言われています。
聞き慣れない言葉が多いですよね!
後々説明していきますね。
今回は歯種病治療の最初の段階で行われる治療を歯周基本治療と言うのですが、歯周基本治療の目標についてお話ししていきます。
歯周基本治療の目標は上皮バリアの修復による止血です。
歯周病の治癒とは、病気の原因を取り除くことです。
歯周病の原因は歯周病菌(主にP.G.菌)がつくりだすバイオフィルム(菌の集合体)のmicrobial shift(バイオフィルムを取り巻く栄養・温度・pH・嫌気度などの環境変化によって、細菌たちが活気づき病原性を高める現象のこと)です。
歯周ポケット内に出血があると細菌に血液が供給され、バイオフィルムの高い病原性は持続し、歯周炎は進行します。
microbial shiftを元に戻すためには、歯周ポケット内の出血を止める必要があり、歯周ポケット内の出血を止めるためには、潰瘍がなくなり(潰瘍が細胞で埋められ)、上皮バリアが修復されることが必要です。
上皮バリアの修復には特別な治療は必要ありません。
歯周基本治療(ブラッシング指導、スケーリング、ルートプレーニング(SRP)、生活習慣指導)で歯周ポケットの出血を止めることができます。
歯周基本治療(特にSRP)によって歯周ポケットのバイオフィルムを取り除くと、歯周病菌の細菌量が減少し、バイオフィルムの病原性が低下します。
すると歯周組織の創傷治癒力がバイオフィルムの病原性を上回り、潰瘍の閉鎖が始まり、出血が止まります。
歯周病治療の目標の上皮バリアの修復による止血によって、歯周病菌と歯周組織との均衡による共生関係を取り戻します。
SRPは非常に重要なのですが、ご自身の毎日の歯ブラシも重要です。
歯ブラシに対するモチベーションを上げ、ブラッシング指導により磨き残しを減らていくことも歯周基本治療のもう1つの目標ですね。
歯周病や歯磨きの仕方が気になる方は、ぜひお問い合わせください。
歯科医師 松山